伝統

伝統

●田原の御田(多治神社) 国重要無形民俗文化財指定
毎年5月3日、田原の多治神社で、「御田」おんだと呼ばれる民俗芸能が奉納されます。御田は、作太郎・作次郎と呼ぶ立人二人が中心になり、種漬けから稲刈りまでの稲作の過程を狂言風に演じるものです。また、田植えをはや囃す田植歌は中世歌謡の雰囲気を残すなど芸能としての御田を代表するものです。

●牧山の松明行事(普門院)
毎年8月24日の夜、西牧山の普門院観音堂で松明行事が行なわれます。この行事は、北山から丹波にかけて広く行なわれていた万灯籠と愛宕信仰が習合した火祭りです。松明は、扇形に組み立てた大松明と松割木を束ねただけの添松明、枝を払った竹に松明12個をつけた小松明の三種類があり、松明がよく燃える年は豊作になると言われています。

●田原のカッコスリ(多治神社)
毎年10月中旬、田原の多治神社で行なわれる秋祭りに、「カッコスリ」と呼ばれる民俗芸能が奉納されます。カッコスリは、4人の稚児の周りをかっこ(羯鼓)を手に持ったカッコスリが、笛や締め太鼓とサンヤレの囃子にあわせて踊るもので、中世後期に流行した風流囃子物を今に伝えています。

●日吉神社の馬馳け(日吉神社)

毎年10月第3日曜日、胡麻日吉神社の秋祭りに「馬馳け」と呼ばれる流鏑馬(やぶさめ)が奉納されます。祭りの早朝、祭事の主役となる馬場量、神馬、騎手、射手、矢取りがみそぎを済ませ、八幡宮など地区内の聖地を巡拝します。
巡拝を終えると、馬場量の手で清められた馬場を三騎が駆け、3つの的を射る所作を行ないます。射手が放った矢を矢取りが拾い集め、矢を神前に供えます。

●笛吹神社の大杉
木住の笛吹神社のご神木とされる杉の巨木は、幹周6.39m、樹高46mで当町最大の巨木で、京都府200選に選ばれています。大杉のある笛吹神社は、本殿、拝殿のほか神水池と伝えられる井戸が境内にあり、本殿前の石燈籠には「笛吹大明神」と刻まれています。

●玉岩地蔵堂・海老坂峠
「海老坂峠」は京都と若狭を結ぶ若狭街道の一つで、「鯖街道」とも呼ばれていました。この峠には、石造地蔵菩薩を本尊とする玉岩地蔵堂があり、街道を往来する人々を見守ってきました。本尊の地蔵菩薩は、若狭の八百比丘尼が背負って諸国行脚を終え、この地で休憩した際に、どうしたことか動かなくなり、そのまま安置されたものと伝えられています。玉岩地蔵は、延命子安地蔵として広く知られており、秋の彼岸の法要には多くの参拝者が訪れます。